児童外来(小学生以上が対象)

  • 選択性緘黙(場面緘黙)
  • 病状と原因について 選択性緘黙(せんたくせいかんもく)とは、家庭などでは話すことができるのに、社会不安(社会的状況における不安)のために、学校や幼稚園といったある特定の場面、状況では全く話すことができなくなる現象をいいます。原因は多種多様で、初診時に原因は判明することは困難であることがおおく、経過観察することで何が原因か判明してきます。知的障害、広汎性発達障害や学習障害に代表されるような発達障害はなく、何らかのストレスなど心理的要因が作用して、次第に自己表現をすることの恐怖感が募り、幼稚園や学校という社会的場面や父親など特定の人物に話せなくなってくるのが特徴です。このように本人が感情表現できる相手が決まっている(感情表現の選択性)があり、おおむね全児童の0.2%程度いるのではないかとも言われています。場面緘黙は小児期の不安障害であり、「自分が話す様子を人から聞かれたり見られたりすることに怖れを感じる」恐怖症の一種ととらえて、おそらく不安になりやすい生まれつきの気質がベースとしてあり、そこに複合的な要因(学校問題、家庭問題)が影響していると考えられています。また愛着問題が根底に隠されている場合も多くあります。学校問題としては、緘黙する子供を奇人変人する同級性の問題や、この責任を両親と教師との間でなすりつけあい、より状況がこじれてしまったり、教師が過度に干渉することで本人の居場所がなくなったりすることなどの問題があります。また転校する事によって問題が改善することもあります。家庭の問題としては本人に過度の将来の期待をかける、夫婦仲が悪い、母親の精神的不安定などが原因で愛着問題が生じ、本人が安全でない意識が強まり、いろんな事への不安や恐怖を生じるとも言われています。脳科学的には場面緘黙症は扁桃体に異常が見られるケースが多く、大人の社会不安障害の一種という定義がされてきています。
  • 治療について  本人が自由に自己表現できる場所をつくることが重要です。心理面接(臨床心理士)で遊戯療法を行い、自己表現の基盤づくりを行います。まずはひとりの心理士になれて信頼関係が築ければ、次第に他の心理士とも面接を行い、いろんな人への自己表現を行えるように指導していきます。しかし、母親との愛着問題が残されていると病状は改善せず長期化する可能性があるため、母親の養育指導が必要になってきます。学校での問題点は本人を特別扱いするようなことを避け、しゃべることを強要しないことが重要になってきます。
  • 原因不明の体調不良と登校拒否
  • 長時間立っていると、気分が悪くなり、座っていて急に立ち上がるとクラクラッとする。運動しても汗をかけずに、顔が赤くなり、あるいは青ざめてしまう。寝つきが悪い、眠りが浅い、目覚めが悪い、朝から体が重たい症状や肩こり、首こり、背中や全身がガチガチに固い。腹痛が繰り返しておこり、便秘、下痢を繰り返して起こすなどの症状などを訴えます。小児科では診察や検査などで特に原因が見当たらないか、ストレスによる自律神経失調など問題を指摘されます。最近では中学受験での疲労や学校のいじめ問題、両親の不仲、母親が精神的不安定な状況になっているなど、複雑な環境となり慢性的なストレスを本人に負担がかかり抑うつ状態に陥っていることが多く散見されます。特に体調不良により6ヶ月以上登校拒否になっている場合は母親も精神的に不安定で余裕がなく、本人が本音や悩みを母親に話せず、ひとりで抱え込んでいることがほとんどです。まずは母親の精神的安定が先になります。
  • チックについて
  •  チックとは一種の癖のようなもので、乳幼児期から学童期にかけ、心と体の成長・発達の過程で多くの子どもにみられるものです。これが固定・慢性化して激症化するとチック症と診断されます。 一過性・発達性チックといわれるものが大多数ですが、成人するに伴い自然に治癒する傾向があります。子ども専門の精神科では、心身症ないし神経症、強迫性障害と同時に比較的多くみられます。チック症の重症型といわれる慢性多発性のチック症をトゥーレット症候群といわれています。チックは小児期ではまれな疾患ではなく、成人するに伴い自然治癒傾向があります。 突発的、急速、 反復性、非律動的、常同的な運動あるいは発声で、発症が18歳未満で4週間以上持続するものをチックといいいます。重症のチックを発症する家系(トゥレット症候群)に遺伝性があることから、生物学的に研究が進み、脳内ドーパミン受容体との関連が注目されています。 しかしながら、チックは本人が止めようとするとかえって増強したり、人前での発表などの緊張場面で強まることがあり、心理的側面が無関係ではなさそうです。遺伝的要素に対人関係や親子関係における心理的葛藤が加わっている病態多く、他に体調不良や原因不明の腹痛、夜間遺尿症、パニックなども同時に散見されます。またチックを発症する小児の母親が神経質で過干渉であったり、しつけが厳しかったり、夫婦仲が悪いなどの要素で症状が悪化したりします。本人問題として、本人の性格(神経質、頑固、感情表現に乏しい、自分の思い通りにならないと納得がいかない・・・)や環境因子として隠れた学校問題(友人関係トラブルやいじめなど・・・)や関与している場合もあります。また環境因子の改善に努めても、チックがひどく日常生活支障を来している場合に薬物療法が検討されます。
  • 引きこもりとその対策
  • ADHD(注意欠陥多動性障害)
  • 自閉スペクトラム障害(アスペルガー症候群含む)